VSOP-2計画の特徴
VSOP-2ではミリ波帯の観測に力点を置き、最高の分解能によって直接撮像を得ることができます。
これにより、以下に示す、宇宙の極限領域の物理に迫ります。
- 活動銀河核のブラックホール周辺の降着円盤の構造
VSOP-2の高い空間分解能と高周波での観測により、降着円盤の撮像や、サイズの計測ができると期待されています。さらに、ブラックホールのシルエットを撮像できる可能性もあります。
- ジェットが生成、加速されている領域の解明
これまでのVSOPでは活動銀河核中心から少し離れた領域のジェットを観測しました。VSOP-2では更に内側の降着円盤とジェットの根元の領域が観測できます。そのため、ジェットが生成され加速される様子を明らかにします。
- 水蒸気メーザーによる、系内星形成領域などの運動の解明
VSOP-2では、メーザー源の固有運動を短い時間で測れるため、寿命の短いメーザーも運動の計測に利用できます。それにより分子ガスの3次元の運動を知ることができ、星形成のメカニズム解明などの大きな手がかりになります。
- 系外銀河の水蒸気メガメーザーの観測
水蒸気メガメーザースポットの運動を調べることにより、活動銀河核の質量、質量降着率、温度、密度などを求めることが出来ます。VSOP-2での観測によって、銀河中心部の活動性について重要な手がかりが得られると期待されています。
- 原始星の磁気圏の観測
これまで数多くの原始星からX線放射が検出されています。X線光度と電波光度との間には密接な関係がありますが、電波ではX線よりも高分解能な観測ができます。VSOP-2の高分解能観測によって、原始星の磁場の空間構造を初めて直接的に明らかにできると期待されています。
- 電波で暗い活動銀河核
活動銀河の90%以上は電波で弱い活動性を示しているものの、VSOPでは感度不足で観測できませんでした。VSOP-2では、より高い空間分解能で観測できるため、電波活動性を誘因する要素を追求できる可能性をもっています。
- そのほかの天体の高感度観測
X線連星などの天体は、VSOPでは感度が足らずほとんど観測ができませんでした。VSOP-2では観測が可能となるため、サイエンスの対象となる天体がVSOPよりも格段に増えます。


