大型展開アンテナ
ASTRO-Gアンテナ反射鏡は、開口径10mクラスの大型展開アンテナとなります。軌道上で高周波観測に対応できる高い精度(アンテナシステム全体で鏡面精度0.4mmrms以下)を実現する必要があります。
ASTRO-Gアンテナ反射鏡基本仕様
- 鏡面パラメータ
様々なメリットから、ASTRO-G用のアンテナ鏡面にはオフセットパラボラ方式を、アンテナの形式は比較的小型のモジュールを結合したモジュラーリブアンテナを採用しました。
- 展開方式
「はるか」の展開アンテナ以後、それ以上の鏡面精度を有する展開アンテナの研究はありません。しかし「はるか」で採用したセンターフィード型のアンテナは、これ以上の軽量化が難しく、さらにテンショントラス方式では43GHzの観測を可能にする鏡面の形成が困難です。
そこでASTRO-Gでは、ETS-VIII大型展開アンテナで使われたトラスの展開方式を採用することにしました。この方式はETS-VIIIによって十分なテストがなされ、軌道上での展開可能性も確認されています。
なお、鏡面形成方式は、ETS-VIIIのものとは異なる新しい概念の方式を採用しています。(後述)
ETS-VIIIのアンテナは六角形のモジュールの集合体として構成されており、各モジュールはワンタッチ傘のように展開します。
- 鏡面形成方式
「はるか」の観測アンテナ構造の開発時には、22.5GHzまでの観測周波数がメッシュアンテナの限界と考えられていました。しかし今回求められている観測周波数は、43GHzです。
そこで、高い鏡面精度を単純な構成と調整で達成する方式として、パラボラ面を弾性リブとフー プケーブルで構成して(放射リブ/フープケーブル方式)、そのパラボラ面にメッシュ面を線で結合しようとする新しい概念の方式を開発研究しました。
したがってアンテナは 、ETS-VIIIのバックアップと展開構造を使用するものの、鏡面形成は違う全く新しい概念の方式です。
この方式は曲面形成精度が高いため、43GHzの観測への対応が期待できます。また調整が容易なために、組み立て後の鏡面形状制御の可能性にもつながります。 - アンテナ鏡面用メッシュ
反射面を構成するメッシュについては、編み目の細かさ、各方向の弾性、電気特性などを考慮しました。選定したのは、シングルサテン式に織った28ゲージ(1インチあたりの鍵針が28本) のメッシュで、モリブデン繊維に金メッキを施した素材です。
様々な測定を実施した結果、使用可能性をほぼ確認しています。


