観測信号処理システム
ASTRO-G衛星観測信号系は、VLBI電波天文観測ミッションにおいて中核となるサブシステムで、観測データ処理系および観測データ通信系に大別されます。
ASTRO-G衛星観測信号系の主な特徴は以下の通りです。
- 観測周波数8、22、43GHzのセンチ波からミリ波での観測
- 冷凍機により冷却された低雑音受信機(22、43GHz)
- 1Gbpsでの観測データ超高速サンプリング
- Ka帯を用いた高速データダウンリンク
観測低雑音受信系(観測データ処理系)
展開アンテナを介して入ってきた天体からの信号は、フィードを経由して低雑音受信機(LNA) に送られます。
低雑音受信系は、電波望遠鏡の感度を決める重要な箇所のひとつです。
天体からの信号は微弱なので、初段の増幅器をいかに低雑音で作るかが課題になります。熱雑音による感度の低下を抑えるため、各周波数帯の受信を独立なものとし、22および43GHz帯の受信系では冷却機により30K以下に冷却します。
観測データデジタル処理(観測データ通信系)
観測データ処理・通信系は、衛星で受信した観測信号を機上において周波数変換、デジタルサンプリング、データフォーマットし、地上のトラッキング局に伝送するシステムです。
「はるか」では3つの観測周波数帯(1.6、5、22GHz) において128Mbpsの観測信号サンプリングおよびデータ伝送を行ってきました。VSOP-2では1Gbps以上の伝送速度を目標とすることにより、観測感度の向上を目指しています。
このような高速のデータサンプリングシステムは、地上VLBIシステムでは実用化され始めています。しかし、衛星において同様のシステムを実現するためには、いくつかの技術的課題を克服しなければなりません。


